第3回:「秘密分散 フォー メール」の使い方 ―― メールが安全な金庫に!――
秘密分散 フォー メール

■登場人物紹介
●MIRAI(ミライ): 情報技術に詳しい、面倒見の良いAIロボット。ITコンサルタントとして、人々の悩みに寄り添いながら専門知識を分かりやすく解説してくれる。
●みなと: 中小企業に勤める社会人1年目。IT業界に飛び込んだばかりで、日々の業務に奮闘中。実務を通して、情報セキュリティの重要性と難しさに直面している。
※本記事に掲載している情報は2025年10月時点のものです。
目次
データを無意味な「かけら」に分割し、複数の場所に保管する「秘密分散技術」。それは、一部が漏えいしても全体の情報が外部に漏れることなく、情報を復元することもできないという技術だった。歴史と実績に裏付けられたその理論に感銘を受けたみなと。しかし、彼の心には「これほど高度な技術、使いこなすのが大変なのでは?」という、導入を検討するすべての担当者と同じ、現実的な疑問が浮かんでいた。
みなとMIRAIちゃん、秘密分散の理論がすごいのは、もうお腹いっぱいなくらい分かったよ!でもね、いちばん知りたいのはそこからなんだ。僕の上司なんて、IT企業なのに新しいソフトウェアになると途端にアレルギー反応を示すし、中小企業の社長のなかには、パソコン操作自体が苦手な人もいると思うよ。そんな人たちでも、本当に使えるの?
MIRAIみなとくん、その心配、すごくよく分かるわ。どんなに優れた技術も、使うのが難しければ意味がないから。でも、「秘密分散 フォー メール」なら、まったく問題ないのよ。
みなと本当に?
MIRAIうん、だって、このサービスは独立した新しいソフトウェアを起動する必要がないから。普段みんなが使い慣れているメールソフトウェア、Microsoft Outlookに、機能を追加する形(アドイン)で組み込まれるのよ。
みなとえ、それだけでいいの?
MIRAIうん、インストールして、いつものOutlookのメール作成画面からメールを作成して送信してみて。
みなとあ!送信ボタンを押したらポップアップで「通常メール送信」と「無意味化送信」が出てきた!
MIRAIそう!変化は、ただそれだけ。
みなとええ!?それだけなの!?
MIRAIそう!ファイルを送りたい時、みなとくんはどうする?
みなと送りたいファイルをメール画面にドラッグ&ドロップして……
MIRAIそのとおり。そして最後に、いつもの「送信」ボタンを押して、ポップアップの「無意味化送信」ボタンを押す。はい、おしまい。
みなとうそでしょ!?本当に、それだけでファイルがあのかけらになって、安全に送られちゃうの?パスワードを考えたり、特別な場所にアップロードしたりしなくていいの?
MIRAIこれが一切いらないの!ボタンを押した瞬間、全自動でファイルが秘密分散化されて、クラウドサーバーに格納される。そして受信者には、そのファイルへアクセスするための専用URLが記載されたメールが届く、という仕組み。
みなとすごい……。これなら、ITが苦手な人でも絶対に間違えようがないね。マニュアルだって「送信ボタンの次にポップアップのボタンを押してください」の一行で済んじゃうよ!
MIRAIそうなのよ。企業のIT担当者にとって、社員への教育コストがほとんどかからないというのは、非常に大きなメリットだよね。PPAPで頻発していた、パスワードの付け忘れや、パスワードの誤送信といったヒューマンエラーも、この仕組みなら防ぐことができるわ。
みなと送る側が簡単なのはよく分かった!じゃあ、受け取る側、つまり取引先の人はどうなの?何かソフトウェアをインストールしてもらう必要があるの?
MIRAIみなとくん、本当にいいところに気づくわね。それこそが、多くの企業がセキュリティ対策の導入でつまずく、最大の壁なのよ。
みなと最大の壁?
MIRAIそう。自社のセキュリティを強化するために導入したシステムが、結果的に取引先に不便を強いてしまうケースがとても多いのが課題なの。「ファイルを受け取るために、会員登録してください」「専用ソフトウェアをインストールしてください」なんて言われたら、相手はどう思うかな?
みなとうーん……「面倒だなあ」って思っちゃうかも。急いでいる時だったら、イラっとしちゃうかもしれない。
MIRAIそうよね。その点、「秘密分散 フォー メール」の受信者は、特別な準備は一切不要なのよ。
みなと一切!?
MIRAIそうなのよ。届いたメールに書かれているURLを、ただクリックするだけ。そうすれば、パソコンやスマートフォンのブラウザーが立ち上がって、すぐにファイルの中身を安全に確認できる。もちろん、パスワードの入力もない!
みなとそれは……めちゃくちゃ親切だ!PPAPの時みたいに、後から来るパスワードメールを探したり、パスワードをコピー&ペーストしたりする手間が一切ないんだね。
MIRAIうん。この「相手に負担をかけない」という点が、ビジネスを円滑に進める上で、実はものすごく重要なの。「セキュリティを強化したい。でも、お客さまに面倒はかけたくない」。そんな、多くの中小企業の経営者が抱えるジレンマを、このサービスは解決してくれる!
みなと送る側も、受け取る側も、すごく簡単でハッピーなのは分かったよ。でもね、MIRAIちゃん。人間だから、ミスは絶対にあると思うんだ。いちばん怖いのは、やっぱり「誤送信」だよ。宛先を間違えて、A社に送るべき見積書を、競合のB社に送ってしまった……とか。
MIRAIメールに関するセキュリティ事故で、最も多いのがその誤送信ね。一度相手のメールボックスに届いてしまったら、もう取り返しがつかない。
みなと考えただけで血の気が引くよ……
MIRAIでも、「秘密分散 フォー メール」なら、そんな「送信後の絶望」を「送信後の安心のとりで」に変えることができる!
みなとどういうこと?
MIRAI送信者は、自分がいつ、誰に、メールでファイルを送ったかを確認できる管理画面にアクセスできるの。そして、もし「あっ、間違えた!」と送信直後に気づいたら、そのリストの中から該当のメールを選んで、キャンセルボタンをクリックする。
みなとキャンセルボタン……。それを押すと、どうなるの?
MIRAIたったそれだけで、間違って送ってしまった相手は、もうそのURLをクリックしてもファイルを見ることができなくなる。「このファイルへのアクセスは許可されていません」と表示されるだけ。
みなとすごい!メールを送った後からでも、アクセスを禁止できるんだ!
MIRAIそう。これは、ファイルそのものをメールに添付しているわけではなく、クラウドサーバー上にあるファイルへのリンクだけをメールで送っているからできるのよ。後からそのアクセス権を無効にしてしまえば、相手はもうファイルを開けることができない。この「送信後でもファイルのアクセス権限をコントロールできる」のはいざというときの安心感につながるね。
みなと本当にそうだね。これなら、万が一の時も被害を最小限に食い止められる。経営者にとっては、事業を守るための保険になるね!
MIRAI秘密分散 フォー メールの仕組みが分かったかしら?
みなとうん、ありがとう、MIRAIちゃん。導入を検討できないか、上司に相談してみるよ。
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